各本文上部に説明と注意書きあり
(07/10)
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2006.07.10 Mon
*アメリカ留学ネタです
それはその刹那に、俺の双眸を焼きつけた。
光に溶け込むように揺れる、飴色。
飴色慕情
「・・・おはよう、手塚」
「・・・・・・」
「よく、眠れた?」
「・・・・・・」
「・・・何か喋ってよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・手塚?手塚部長?手塚国光くーん!?」
「・・・・・・」
ゴロン、と体勢を横向きに切り替える。
校舎の中の空に一番近い場所で、飴色の少年はそんな俺の横顔を覗き込むようにはっとする程端正な顔を近付けてきた。
「・・・ちょっと。キミには口という名の器官を使って意思の疎通を図ろうとかそういう心持ちが全くないわけ?」
「―――少なくとも不二周助に関しては全くないな」
「あ、そう」
つまらなさそうに、呟く。
遠くにチャイムが鳴り響く。
「行かなくていいの、授業?」
「・・・・・・」
「行く気、ないんだ」
「・・・・・・」
青い青い大海原を泳ぐ海月のように、白い雲は気ままに戯れている。
「さて、手塚君に質問です」
「アメリカへ行くって、本当ですか?」
遠くの金網が突風でガタガタとわななく。
俺は何も言わなかった。
飴色の眸はたった一度、緩やかな瞬きをすると、またすぐに柔和な笑顔の一部に変わった。
「・・・アメリカ。行っちゃうんでしょう」
「・・・・・・」
「しばらく、会えなくなっちゃうね」
綺麗な飴色の少年は、空の蒼に向かって大きく伸びをした。
俺はやはり何も言わない。
「あの・・・さ。もしかして君さ、僕が寂しがるとか思ってる?」
「・・・・・・」
「残念だけどね、僕は全然寂しくなんてないよ。結構…、平気」
「・・・・・・」
「・・・ねえ、何か言ってよ」
「・・・・・・・・・うるさいぞ、不二・・・」
「・・・なあに、それ」
少年はくすくすと微笑った。
「僕は君のこと、待ってなんかいないからね」
「そんなこと、期待していない」
「うん、そうだね・・・」
飴色が近づく。
俺たちは一度、軽いキスを交わした。
「手塚国光は冷たい人だね」
「不二周助は冷たいヤツだな」
校舎の中で最も空に近い場所で、俺たちはひっそりと笑みを浮かべた。
それはその刹那に、俺の双眸を焼きつけた。
光に溶け込むように揺れる、飴色。
飴色慕情
「・・・おはよう、手塚」
「・・・・・・」
「よく、眠れた?」
「・・・・・・」
「・・・何か喋ってよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・手塚?手塚部長?手塚国光くーん!?」
「・・・・・・」
ゴロン、と体勢を横向きに切り替える。
校舎の中の空に一番近い場所で、飴色の少年はそんな俺の横顔を覗き込むようにはっとする程端正な顔を近付けてきた。
「・・・ちょっと。キミには口という名の器官を使って意思の疎通を図ろうとかそういう心持ちが全くないわけ?」
「―――少なくとも不二周助に関しては全くないな」
「あ、そう」
つまらなさそうに、呟く。
遠くにチャイムが鳴り響く。
「行かなくていいの、授業?」
「・・・・・・」
「行く気、ないんだ」
「・・・・・・」
青い青い大海原を泳ぐ海月のように、白い雲は気ままに戯れている。
「さて、手塚君に質問です」
「アメリカへ行くって、本当ですか?」
遠くの金網が突風でガタガタとわななく。
俺は何も言わなかった。
飴色の眸はたった一度、緩やかな瞬きをすると、またすぐに柔和な笑顔の一部に変わった。
「・・・アメリカ。行っちゃうんでしょう」
「・・・・・・」
「しばらく、会えなくなっちゃうね」
綺麗な飴色の少年は、空の蒼に向かって大きく伸びをした。
俺はやはり何も言わない。
「あの・・・さ。もしかして君さ、僕が寂しがるとか思ってる?」
「・・・・・・」
「残念だけどね、僕は全然寂しくなんてないよ。結構…、平気」
「・・・・・・」
「・・・ねえ、何か言ってよ」
「・・・・・・・・・うるさいぞ、不二・・・」
「・・・なあに、それ」
少年はくすくすと微笑った。
「僕は君のこと、待ってなんかいないからね」
「そんなこと、期待していない」
「うん、そうだね・・・」
飴色が近づく。
俺たちは一度、軽いキスを交わした。
「手塚国光は冷たい人だね」
「不二周助は冷たいヤツだな」
校舎の中で最も空に近い場所で、俺たちはひっそりと笑みを浮かべた。
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