各本文上部に説明と注意書きあり
(07/10)
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2006.07.10 Mon
*えろ注意
*運命初期の頃のお話
HELP ME
群青というよりかは黒に近く、粘っこく地を這う巨大な闇。
時は20時を過ぎた頃だろうか、既に温かみのある橙に変わり、月の有する無機的な蒼が辺りを照らし出している。
シンはひとつ短く息を吐くと、半壊したMSから飛び降りてその人へと駆け寄った。
「アスランさん!」
「シン、どうだった」
「駄目です。やっぱ、さっきまでの戦闘の影響でまだ電波もレーザーも通らないみたいで」
そうか、と深い海の色に良く似た髪のその人は俯いた。
切り崩したような小さな岩穴の中、シンはアスランの隣に焚いた火を囲んで座る。
ふたりは海の只中にいた。
ミネルバは同日、地球軍艦隊による執拗な攻撃を受け、シンもアスランも愛機にて出撃していたのだったが、
戦闘中、数にものを言わせた地球軍機に囲まれたインパルスを助けるべくアスランが多少無茶な突撃をし、その衝撃で頭部や背中を強打した際に視力を奪われた彼を庇うようにして、シンの機体もまた重い攻撃を受け、そのままふたりもつれるようにして海へと落ちたのだった。
両者の愛機は共に半壊しており、また動力部に大きな破損を負ったために、救助を待つ以外に行動の選択肢はないといった状態で、しかし救難信号を送ることもままならないまま現在に至る。
「目、まだ見えません?」
「ああ」
ぼんやりと応じる彼の目に掛かった前髪を払ってやろうとそっと手を触れると、突然の刺激に驚いた翡翠がわずかに緊張して身を引かれた。
「あっ……、すみませ…」
「……いや」
その物言いに、ついついムッとして眉を顰めてしまうのは、仕方のないことだろう。
大したことはない、などと口にはするものの、大したことがない風には到底見えない様子の彼の未だ困惑したように揺れる瞳を一瞥すると、所在なさげに宙をさまよいかけた腕を強く胸元に引き、シンはアスランの身体をかき抱くようにして後ろへと倒れこんだ。
アスランはシンを下敷きにして、胸や腹を密着させたまま真上からシンの顔を覗き込むような体勢になる。
「………あ、れ?」
「あの、さ、アンタさぁ。さっきから人が動く度にいちいち反応して、逆にこっちが壊れ物に触れるみたいで緊張するだろ」
「シン……ぁ、その、……悪い」
ふ、と。遠回しにながらもこの年下の少年の優しさが垣間見えたような気がして、アスランは自然笑みをこぼしてしまう。
と、同時に、何だか気恥ずかしいような気もしてきてしまい、頬が赤らむのを誤魔化そうと軽く首を横に振る。
「なーんか…ムカつく」
ぼそりとこぼした声はアスランにははっきりとは届かず、何だと顔を寄せてきたところを、シンはすかさず捕らえてその唇を奪った。
「っう、……んーっ!」
衝撃と息苦しさに思わず逃げかけた頭を、両手でガッチリと抑えられてアスランは呻く。
抵抗といった抵抗も出来ないままにシンの舌は熱っぽい意図を持ってアスランの唇をぬるりとなぞり、それから口内へと侵入して内部を蹂躙し始めた。
「ふ…っう……ん、…んっ」
たっぷりと時間をかけて貪りつくした後に、シンはようやくアスランを解放する。
と、同時に荒い息を繰り返すその頬はきれいな桜色に染まり、涙のにじんだ目許はいっそう艶っぽく、シンの熱情をたぎらせるに十分すぎるほどの効果を有していて。
キスひとつでここまで乱れるとは…。
いつものことだし、仕掛ければこのような反応が返ってくるのは分かってはいたことだったけれども。
それでも何だかもう我慢が効かないような気がして、シンは熱い吐息をそっと吐き出す。
「……アンタが、悪いんだからな」
「……え、なに」
ようやく得た酸素を求めることに夢中になっていた彼は、意味が分からないといった風に小首を傾げきて、そんな様子も可愛いななどと思ってしまう自分に少々頭が痛いような気もしたのだが。
「何でもねぇよ」
この際、欲望に負けて全部流してしまうことにした。
真っ暗な視界の中唐突に触れられる感覚は、アスランに少なからずの恐怖を植えつけた。
相手の全てが見えないという、恐怖。
スーツのファスナーに手をかけられ、その降りる音や指の動き如何から、服をくつろがせようとする意図がありありと感じられたが、しかしアスランはこれといった抵抗も見せず、シンの思うままにさせてやる。
自分がこの年下の少年に対してはひたすら甘いのだということは、常々よくよく理解していたのだったが、しかし今はそれよりも、自分の内にこもるこの熱を彼にどうにかして欲しかった。
スーツを剥ぎ取られ、身につけるものが下着1枚になってしまうと、熱は変わらずこもっているものの、さすがに肌寒いような気がしてくる。
そのままインナーをまくられ無遠慮に触れてくる手のぬくもりが温かく心地良いようで、やはり少し恐怖でもあり。
その様子を見て取ったのか、シンが彼の名を優しく呼ぶ。
何度も何度も、囁きかけるように、優しく呼ぶ。
「シン……」
いつの間にか体勢は入れ替わり、アスランの背は硬い石の地の上に寝かされていた。
身に纏う布はすべて剥ぎ取られ、外気にさらされた太腿の付け根の辺りをシンの掌が行き来している。
その内に、生暖かい何かがそこに触れた。
軽い痛みを覚え、そこを吸われたのだと気づく。
目で見えない分感覚は研ぎ澄まされているため、わずかな刺激にも身体は過敏に反応していった。
「…ほんと、やらしい人」
揶揄するように放たれた言葉にゾクリと肌があわ立ち、そうして文句を口にしようと開いた口は、しかしそのすぐ後で後腔にはわされた指の為に喘ぎへととってかわる。
「うぁ…や、め…っ、…く…ぁ、…あぁ!」
飲み込んだ指がある一点を掻いた瞬間、訪れた快楽に、アスランの腰が強く跳ね上がる。
途端に上がった自身の高い声に驚いて自らの手で口許を覆うと、快楽に耐えるように眉根を寄せて静かに瞳を伏せた。
まるで全身が性感帯になってしまったかのような感覚に、理性すらも吹っ飛びそうになる。
シンの指に擦りつけるようにして無意識に揺れる腰を、アスランにはどうすることもできない。
早く彼を中に欲しくて、欲しくて堪らなくて、甘い息を吐き出しながらアスランはシンの腕に爪を立てた。
「シンっ…も…、いれ、ろ…!」
「……アス、ラ、…さ…」
こちらも興奮に熱い息を吐きながら、広げるように幾度も出し入れしていた指をずるりと引き抜くと、自身の猛りに指を沿え、何度か迷うように入り口付近を辿りながら内部へとゆっくり挿入していく。
待ち望んでいた刺激に、全身が強く震えてしまう。
すぎる快楽と刺激と情欲は、痛みさえも伴って彼らを襲った。
ちょうど先端部分をすべて飲み込んだ辺りで一度動きを止め、体勢を整えると、シンはアスランの白い脚を両肩に抱え、尻ごと持ち上げるようにして身体を折り、上から体重をかけるようにして自身を深く埋め込む。
身体の下から苦しそうに漏れる喘ぎを聞き流しながら快楽をやり過ごし、しかし余裕のないままに、それでも何度か行きつ戻しつしながら夢中で腰をすりつけていった。
今ではもう慣れた行為とはいえ、挿入時の衝撃というものはやはり辛いらしく。
気がつけばすぐ目の前にある愛しい人の顔は、汗と涙と快楽とでくしゃくしゃになっていて。
「はぁ…アス、ラン…」
乱れる息の中優しく名前を呼んでやると、硬く閉じられていた翡翠がそろりと覗く。
しかし焦点の合わない双眸は頼りなく揺れるばかりで、見ていてひどく痛々しい。
相手の姿が映らない不安からか、アスランは覆い被さるシンの身体を自身へと強く引き寄せてきた。
「シン…っ、シ…ン…」
ますます力のこもる身体を、これでは少々辛いからと、優しく宥め撫でてやる。
そうして額にひとつキスを落とすと、ようやく安心したかのように強張っていた身体が少しだけ弛緩した。
もう大丈夫だろうかと試しに腰をゆすってみると、即座に反応が返ってきて。
彼が息を詰めるほどに強く優しく締めつけてくるものだから、思わず一瞬達してしまいそうになった自分を叱咤しつつ、今度は激しく抽挿を開始した。
轟音と振動で目を覚ます。
付近でたいていたはずの火は消え、自分たちが身を寄せていた場所への入り口からは強い日差しが差し込んでいた。
「もう朝か…」
「朝ではなくて昼だ、シン」
眠い目をこすりながら起き上がった彼は、途端にあびせられた低い声の主に気づき、にわかにその身を硬直させた。
その一方で、彼の愛しい人は彼のすぐ隣で未だ深い眠りの中にいる。
衣類をすべて脱ぎ捨てたままで。
「あ、のっ、レイ!これは、その…っ」
「別に言わなくていい」
明らかにヤッてましたといわんばかりの状況証拠に慌てて弁明しようと試みたシンであったが、どうやらそれは無駄で不要な足掻きらしかった。
「…えっと…その、迎えに来てくれたんだよ、な」
「そうだ。艦長に報告しなければならないからさっさと服を着て準備をしろ。救援ボートを出してもらう」
言い終わると同時に愛機のザクへと向かうレイを見送ると、シンはアスランを起こしにかかる。
「アスランさん、ほら、救助が来ましたよ」
「んん――…」
元来寝汚い彼はぬくもりを求めてシンの身体へと絡みつく。
その様子に若い身体はすぐに反応し、これはさすがにマズイと思って視線をそらせた先にレイの座った瞳があった。
「………あ」
その後、助けが必要ないのなら帰る、とその場を立ち去ろうとするレイをシンが必死になだめようとしたことは言うまでもない。
*運命初期の頃のお話
HELP ME
群青というよりかは黒に近く、粘っこく地を這う巨大な闇。
時は20時を過ぎた頃だろうか、既に温かみのある橙に変わり、月の有する無機的な蒼が辺りを照らし出している。
シンはひとつ短く息を吐くと、半壊したMSから飛び降りてその人へと駆け寄った。
「アスランさん!」
「シン、どうだった」
「駄目です。やっぱ、さっきまでの戦闘の影響でまだ電波もレーザーも通らないみたいで」
そうか、と深い海の色に良く似た髪のその人は俯いた。
切り崩したような小さな岩穴の中、シンはアスランの隣に焚いた火を囲んで座る。
ふたりは海の只中にいた。
ミネルバは同日、地球軍艦隊による執拗な攻撃を受け、シンもアスランも愛機にて出撃していたのだったが、
戦闘中、数にものを言わせた地球軍機に囲まれたインパルスを助けるべくアスランが多少無茶な突撃をし、その衝撃で頭部や背中を強打した際に視力を奪われた彼を庇うようにして、シンの機体もまた重い攻撃を受け、そのままふたりもつれるようにして海へと落ちたのだった。
両者の愛機は共に半壊しており、また動力部に大きな破損を負ったために、救助を待つ以外に行動の選択肢はないといった状態で、しかし救難信号を送ることもままならないまま現在に至る。
「目、まだ見えません?」
「ああ」
ぼんやりと応じる彼の目に掛かった前髪を払ってやろうとそっと手を触れると、突然の刺激に驚いた翡翠がわずかに緊張して身を引かれた。
「あっ……、すみませ…」
「……いや」
その物言いに、ついついムッとして眉を顰めてしまうのは、仕方のないことだろう。
大したことはない、などと口にはするものの、大したことがない風には到底見えない様子の彼の未だ困惑したように揺れる瞳を一瞥すると、所在なさげに宙をさまよいかけた腕を強く胸元に引き、シンはアスランの身体をかき抱くようにして後ろへと倒れこんだ。
アスランはシンを下敷きにして、胸や腹を密着させたまま真上からシンの顔を覗き込むような体勢になる。
「………あ、れ?」
「あの、さ、アンタさぁ。さっきから人が動く度にいちいち反応して、逆にこっちが壊れ物に触れるみたいで緊張するだろ」
「シン……ぁ、その、……悪い」
ふ、と。遠回しにながらもこの年下の少年の優しさが垣間見えたような気がして、アスランは自然笑みをこぼしてしまう。
と、同時に、何だか気恥ずかしいような気もしてきてしまい、頬が赤らむのを誤魔化そうと軽く首を横に振る。
「なーんか…ムカつく」
ぼそりとこぼした声はアスランにははっきりとは届かず、何だと顔を寄せてきたところを、シンはすかさず捕らえてその唇を奪った。
「っう、……んーっ!」
衝撃と息苦しさに思わず逃げかけた頭を、両手でガッチリと抑えられてアスランは呻く。
抵抗といった抵抗も出来ないままにシンの舌は熱っぽい意図を持ってアスランの唇をぬるりとなぞり、それから口内へと侵入して内部を蹂躙し始めた。
「ふ…っう……ん、…んっ」
たっぷりと時間をかけて貪りつくした後に、シンはようやくアスランを解放する。
と、同時に荒い息を繰り返すその頬はきれいな桜色に染まり、涙のにじんだ目許はいっそう艶っぽく、シンの熱情をたぎらせるに十分すぎるほどの効果を有していて。
キスひとつでここまで乱れるとは…。
いつものことだし、仕掛ければこのような反応が返ってくるのは分かってはいたことだったけれども。
それでも何だかもう我慢が効かないような気がして、シンは熱い吐息をそっと吐き出す。
「……アンタが、悪いんだからな」
「……え、なに」
ようやく得た酸素を求めることに夢中になっていた彼は、意味が分からないといった風に小首を傾げきて、そんな様子も可愛いななどと思ってしまう自分に少々頭が痛いような気もしたのだが。
「何でもねぇよ」
この際、欲望に負けて全部流してしまうことにした。
真っ暗な視界の中唐突に触れられる感覚は、アスランに少なからずの恐怖を植えつけた。
相手の全てが見えないという、恐怖。
スーツのファスナーに手をかけられ、その降りる音や指の動き如何から、服をくつろがせようとする意図がありありと感じられたが、しかしアスランはこれといった抵抗も見せず、シンの思うままにさせてやる。
自分がこの年下の少年に対してはひたすら甘いのだということは、常々よくよく理解していたのだったが、しかし今はそれよりも、自分の内にこもるこの熱を彼にどうにかして欲しかった。
スーツを剥ぎ取られ、身につけるものが下着1枚になってしまうと、熱は変わらずこもっているものの、さすがに肌寒いような気がしてくる。
そのままインナーをまくられ無遠慮に触れてくる手のぬくもりが温かく心地良いようで、やはり少し恐怖でもあり。
その様子を見て取ったのか、シンが彼の名を優しく呼ぶ。
何度も何度も、囁きかけるように、優しく呼ぶ。
「シン……」
いつの間にか体勢は入れ替わり、アスランの背は硬い石の地の上に寝かされていた。
身に纏う布はすべて剥ぎ取られ、外気にさらされた太腿の付け根の辺りをシンの掌が行き来している。
その内に、生暖かい何かがそこに触れた。
軽い痛みを覚え、そこを吸われたのだと気づく。
目で見えない分感覚は研ぎ澄まされているため、わずかな刺激にも身体は過敏に反応していった。
「…ほんと、やらしい人」
揶揄するように放たれた言葉にゾクリと肌があわ立ち、そうして文句を口にしようと開いた口は、しかしそのすぐ後で後腔にはわされた指の為に喘ぎへととってかわる。
「うぁ…や、め…っ、…く…ぁ、…あぁ!」
飲み込んだ指がある一点を掻いた瞬間、訪れた快楽に、アスランの腰が強く跳ね上がる。
途端に上がった自身の高い声に驚いて自らの手で口許を覆うと、快楽に耐えるように眉根を寄せて静かに瞳を伏せた。
まるで全身が性感帯になってしまったかのような感覚に、理性すらも吹っ飛びそうになる。
シンの指に擦りつけるようにして無意識に揺れる腰を、アスランにはどうすることもできない。
早く彼を中に欲しくて、欲しくて堪らなくて、甘い息を吐き出しながらアスランはシンの腕に爪を立てた。
「シンっ…も…、いれ、ろ…!」
「……アス、ラ、…さ…」
こちらも興奮に熱い息を吐きながら、広げるように幾度も出し入れしていた指をずるりと引き抜くと、自身の猛りに指を沿え、何度か迷うように入り口付近を辿りながら内部へとゆっくり挿入していく。
待ち望んでいた刺激に、全身が強く震えてしまう。
すぎる快楽と刺激と情欲は、痛みさえも伴って彼らを襲った。
ちょうど先端部分をすべて飲み込んだ辺りで一度動きを止め、体勢を整えると、シンはアスランの白い脚を両肩に抱え、尻ごと持ち上げるようにして身体を折り、上から体重をかけるようにして自身を深く埋め込む。
身体の下から苦しそうに漏れる喘ぎを聞き流しながら快楽をやり過ごし、しかし余裕のないままに、それでも何度か行きつ戻しつしながら夢中で腰をすりつけていった。
今ではもう慣れた行為とはいえ、挿入時の衝撃というものはやはり辛いらしく。
気がつけばすぐ目の前にある愛しい人の顔は、汗と涙と快楽とでくしゃくしゃになっていて。
「はぁ…アス、ラン…」
乱れる息の中優しく名前を呼んでやると、硬く閉じられていた翡翠がそろりと覗く。
しかし焦点の合わない双眸は頼りなく揺れるばかりで、見ていてひどく痛々しい。
相手の姿が映らない不安からか、アスランは覆い被さるシンの身体を自身へと強く引き寄せてきた。
「シン…っ、シ…ン…」
ますます力のこもる身体を、これでは少々辛いからと、優しく宥め撫でてやる。
そうして額にひとつキスを落とすと、ようやく安心したかのように強張っていた身体が少しだけ弛緩した。
もう大丈夫だろうかと試しに腰をゆすってみると、即座に反応が返ってきて。
彼が息を詰めるほどに強く優しく締めつけてくるものだから、思わず一瞬達してしまいそうになった自分を叱咤しつつ、今度は激しく抽挿を開始した。
轟音と振動で目を覚ます。
付近でたいていたはずの火は消え、自分たちが身を寄せていた場所への入り口からは強い日差しが差し込んでいた。
「もう朝か…」
「朝ではなくて昼だ、シン」
眠い目をこすりながら起き上がった彼は、途端にあびせられた低い声の主に気づき、にわかにその身を硬直させた。
その一方で、彼の愛しい人は彼のすぐ隣で未だ深い眠りの中にいる。
衣類をすべて脱ぎ捨てたままで。
「あ、のっ、レイ!これは、その…っ」
「別に言わなくていい」
明らかにヤッてましたといわんばかりの状況証拠に慌てて弁明しようと試みたシンであったが、どうやらそれは無駄で不要な足掻きらしかった。
「…えっと…その、迎えに来てくれたんだよ、な」
「そうだ。艦長に報告しなければならないからさっさと服を着て準備をしろ。救援ボートを出してもらう」
言い終わると同時に愛機のザクへと向かうレイを見送ると、シンはアスランを起こしにかかる。
「アスランさん、ほら、救助が来ましたよ」
「んん――…」
元来寝汚い彼はぬくもりを求めてシンの身体へと絡みつく。
その様子に若い身体はすぐに反応し、これはさすがにマズイと思って視線をそらせた先にレイの座った瞳があった。
「………あ」
その後、助けが必要ないのなら帰る、とその場を立ち去ろうとするレイをシンが必死になだめようとしたことは言うまでもない。
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